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「それでも私を愛してくれますか」
第三章 新しい恋人

『それでも私を愛してくれますか』 第三章 新しい恋人 -4-

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 メールを送ってから一時間、ようやく杏子から返事が届いた。

『メールありがとう。私もすごく楽しかったです。
 今度来るときは前もって連絡下さい。予定を空けて待っています。
 プレゼントしたいものもあるので、必ずね。ではではおやすみなさい。杏子』

『プレゼント』とはいったい何だろう。来てのお楽しみというわけか。
 胸が躍った。気がついたら鼻歌を歌っていたり、口笛を吹いてみたり。自分の単純さに笑わずにいられなかった。
 美由紀一色だった心に少しずつだが、杏子の色が混じり始めていた。
 このドキドキが堪らない。そう、僕は杏子に恋をしそうになっていた。

 小

「何かあったのか?」
 自分の席で納品伝票をまとめていると、水島がやってきて、そう尋ねた。突然の質問に僕の手は止まった。
「はい?」
 水島は隣の席に腰掛け、興味深そうに僕を見た。
「いや、ここ最近、何だか機嫌が良さそうだからさ」
「僕がですか?」
「他に誰かいるか?」
「別に何もありませんよ。至って普通です」
 僕はさらりと言ってのけ、伝票の整理を再開した。
「そうか? 少し前まで死にそうな顔してたぞ。やっと気持ちの整理ができたってところか?」
 水島が笑うと、僕も笑いが込み上げてきた。
「そうですね。まっ、いつまでも落ち込んでいても仕方ないですからね」
「へえ、それはそれは」
 整理の終わった伝票の端を揃えて水島に差し出した。
「今週の納品分です」
「ごくろうさん」
 伝票を受け取った水島は、それ以上何も言わずに去っていった。
 確かに水島の言うとおり、僕はすっかり立ち直っていた。塞ぎこんでいた気持ちも晴れ、美由紀のことを思い出してクヨクヨすることもなくなった。

 その理由は言うまでもなく杏子だった。
 彼女に会ってからもうすぐ二週間だ。あれ以降、毎日彼女にメールを送っている。と言っても、一日の終わりに一通だけ。あまり頻繁に送るのも嫌がられる気がしたからだ。
『女の子には心があります』というのを僕はちゃんと覚えていた。
 土曜日の夜、杏子に『明日、会いに行く』というメールを送ったところ、すぐに返事が届いた。

『明日、来てくれるんだね。 
 約束どおりプレゼントを用意して待っているので、楽しみにしておいて下さい。杏子』

 メールを見て口元が緩んだ。
 彼女からのプレゼントとはいったい何か。答えは未だに出ていなかった。
 眠りにつこうとベッドに入ったが、遠足前夜の子供のように、期待と興奮でなかなか寝つけなかった。
 
 小

 杏子との約束は午前十一時。
『ヘヴンズガール』の開店は午前十時だが、早々に行くのもどこか恥ずかしくて一時間後にしたのだ。
 平日と同じ時間に起きて、食事と着替えを済ませたが、どうやって時間を潰していいかわからなかった。動物園の熊のように狭い部屋の中をウロウロして、立ったり座ったりを繰り返していた。
 店には一時間もあれば行けるのだが、結局、二時間前には家を出た。
 
 外は雨だった。普段なら外出するのも億劫になるが、今日は違っていた。
 時間を潰そうとコンビニに立ち寄ったが、退屈な雑誌ばかりしか並んでおらず少しも興味が湧いてこなかった。
 約束の時間が待ち遠しくて、何度も腕時計に目をやった。しかし過ぎた時間は決まって五分程度。
 待つことにくたびれた僕は潔く店に行くことを決めた。
 
 予定時間の三十分前に店に到着したが、受付けはしてもらえた。メンバーズカードが機械で読み取られると、支配人が僕に尋ねた。
「本日は杏子とお約束ということでよろしいですか?」
 思いがけない質問に戸惑わずにいられなかった。二人の秘密を他人に知られていたようで、どこか恥ずかしかった。
 フロントに傘を預けると、早速部屋へ案内された。
「私はここまでです。どうぞ、ごゆっくり」
 ドアの前で足を止めた支配人は、微笑みだけを残してフロントへ戻っていった。



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~ Comment ~

NoTitle 

次の恋の相手は杏子なのですね。
失恋の痛手が紛らわされたのはよかったですが、バーチャルだし皆の杏子ちゃん・・・。
先がちょっと心配ですね。

lime さんへ 

ううっ……いいところ、ついてきましたね。
さてlimeさんの予想通りの展開になりますでしょうか。
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