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【  2017年05月  】 

『赤い糸をたどって』 最終回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.28 (Sun)

  困ったことになった。 と言っても、今までのことを考えるとかなり贅沢な悩みだ。 二人の女性のうち、どちらかを選ばなければならないなんて……。 ただし、勘違いしてはいけないのが、相手から交際を申し込まれたものではないということだ。 つまりどちらを選ぶか悩んだところで、フラレれてしまう可能性は残る。 若槻と松田。 二人ともとても魅力的な女性だし、例えフラレたところで悔いはない。   いや、嘘だ。 フラレ...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第三十三回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.27 (Sat)

  翌週の日曜日は、松田と会う約束をしていた。彼女が「海が見たい」と言ったので、俺の車でドライブすることになった。「海水浴はしませんけど」と、念押しされたため、残念ながら水着姿は拝めない。というより、そんなことは始めから期待していない。 松田を、彼女の住むマンションの近くで助手席に乗せて、海を目指した。天気は快晴で、絶好の海日和だ。「海へ行くなんて本当に久しぶりです」 昨日は残業もほどほどに仕事を切...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第三十二回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.26 (Fri)

  翌日、牛島が何かつまらないことを言ってくるのをある程度覚悟していたが、いい意味で予想は外れた。席に着き、「おはようございます」と挨拶をすると、薄笑いの一つもなく、「ウッス」という挨拶が返ってくるのみだった。若槻にもそれとなく、目で問いかけてみたが、特に困惑している様子もなかった。 少々拍子抜けしたが、とりあえずは安心だ。 机の右端に積み上げた書類の一つを取り出して仕事に取りかかろうとすると、「そ...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第三十一回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.22 (Mon)

  次の日曜日は若槻と会う約束をしていた。彼女の意見で「今回は春見さんの希望に合わせます」ということになった。  暑さも本格化してきたため、冷房のよく効いた場所にいられる映画鑑賞で決まった。ドライブを兼ねて少々遠方のショッピングモールまで行き、その中にある映画館を利用することにした。特別観たいというわけでもなかったが、俺の趣味でアクションものの洋画を選んだ。若槻も「いいですよ」と二つ返事で答えてくれ...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第三十回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.20 (Sat)

 「わあ、改めて見ると大きいですね」  目の前のそびえ立つキリンを見上げて、松田は無邪気に笑った。  彼女がリクエストした「行きたいところ」というのは動物園だった。  動物たちの姿を見て癒されたかったらしい。本人は、少々子供っぽいかなと思っていたようだが、俺も童心に帰って、久しぶりに行ってみたいという気持ちになった。  美しさや幻想的な雰囲気が楽しめる水族館と違い、臭いや敷地の大きさを考えると、動物園は...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第二十九回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.18 (Thu)

  当日。待ち合わせ場所は直接その店だ。 午前十時四十五分頃に『今、お店の前で待っています』と、松田からメールが届いた。 約束は十一時なので、随分と余裕がある。 時間にもきっちりとした人らしい。 昨日の夜、予定通りで大丈夫かを確認すると、『はい。大丈夫です』と返事があった。ただし、その時点で時刻は午後十時過ぎで、『まだ仕事中です』と書いてあった。 ひょっとすると、休むために必死になって仕事をこなした...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第二十八回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.15 (Mon)

  六月に申し込んだM子という女性から『お受けします』の返事が届いた。 本名は松田智花。年齢は二十八歳。ルックスは、今まで実際に会った女性の中ではいいほうに入ると思う。目がくりっとしていて可愛らしい。『はじめまして。毎日、仕事に追われ、忙しい日々を過ごしています。そのせいもあって、出会いが全くありません。素敵な人が見つかればいいなと思います。理想の夫婦像は両親。二人のようにいつまでも仲良く人生を共に...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第二十七回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.13 (Sat)

  岬シーパークを出て、若槻を彼女の住むマンションの近くまで送り届けたのは、午後五時過ぎだった。 若槻は終始笑顔で、心から今日一日を楽しんでくれたように見えた。「若槻さん、夕食はどうする?」 すぐに答えはもらえなかった。若槻はしばらく考えるような表情をした後、「ゴメンなさい」と申し訳なさげに口を開いた。「せっかくなんですけど、ココアの散歩もあるし、洗濯や掃除もやっておきたいので」「アイロンがけもある...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第二十六回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.11 (Thu)

  水族館へ行くことになったのは、五月最後の日曜日。契約期間終了までちょうど四ヶ月だ。 水族館は以前、小谷と一緒に行った岬シーパークだ。別の水族館が良かったのだが、同スケールのものはこの近くにはない。ただ、前回はどうにも忙しなかったため、ちょうどいいと言えば、ちょうどいい。 待ち合わせはB駅で、俺が車で迎えに行くことになっていた。目的地までおよそ一時間のドライブ。小谷の時は、彼女の都合に合わせて電車...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第二十五回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.09 (Tue)

  数日後、俺の手元に若槻の紹介状が届いた。 仕事ではなく、プライベイトであんなふうに落ち着いて話をしたのは、もちろん、初めてのことだった。彼女に抱いた印象は、自分でも思った以上に良かった。以前に紹介状を返却した理由は、同僚たちの目を気にしてだった。 しかし若槻も会社の連中の面倒臭さはわかっているし、あからさまに仮交際中であることを匂わせたりはしないだろう。会社での言動にさえ注意すれば、問題ない。 ...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第二十四回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.07 (Sun)

  ゴールデンウィークが終わって最初の日曜日、ホテルで行われる「春よ、恋」という立食パーティに参加した。参加人数は男女共に十五人ずつ。時間は午前十一時から午後一時までの二時間。前回の喫茶店でのパーティの時のように順番に話していくわけではなく、「自分から積極的に相手を選んで会話する形式になっている」と、司会の女性スタッフ、橘が説明した。 時間の関係上、全員と話せるわけではない。始めからある程度相手を絞...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第二十三回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.03 (Wed)

 「女はもっと現実的です」 確か沢口も同じことを言っていた。俺の考えは現実離れしていて可笑しいものなんだろうか。いや、それにしても小谷の言葉が正しかったとは思えない。他人に対する思いやりがない。 現実的というより、機械的だ。あんな女と結婚するくらいなら、このまま独身のほうが余程マシだ。 夜になり、小谷からメールが届いた。件名は「ありがとうございました」 文句でも送ってきたのだろう。仮に謝られたところ...全文を読む

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『赤い糸をたどって』 第二十二回

赤い糸をたどって(下)

2017.05.01 (Mon)

  夕食を済ませて風呂から上がると、ケータイのランプがチカチカと点滅していた。『着信あり』と『新着メールあり』 どちらも小谷からだった。『こんばんは。春見さん。今日はありがとうございました。電話したんですけど、出られなかったので、用件のみメールで送らせてもらいますね。 あの後、二人の方とお会いしましたが、一番印象が良かったのは春見さんでした。できればまたお会いしたいのですが、いかがでしょうか? 今度...全文を読む

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