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【  2014年02月  】 

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『親愛なるあなたへ』 第二章 決意 -5-

第二章 決意

2014.02.26 (Wed)

 「どうぞ。座って下さい」 太った男の方がトーンの高い声で拓郎に椅子を勧め、履歴書を見ながら質問を始めた。「できる男」を演じるため、的確にハキハキと答えるように拓郎は心掛けた。「現在は東洋保険さんの営業課で働いていらっしゃるのですね?」「はい」「入社した時からそちらの部署ですか?」「はい」 ましてやリストラ対象者ばかりを集めた資料管理室に異動になった、などということは決して知られてはいけない。「東洋...全文を読む

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『親愛なるあなたへ』 第二章 決意 -4-

第二章 決意

2014.02.20 (Thu)

  拓郎は午後六時ちょうどに会社を出て、ネットカフェに立ち寄った。もちろん、職探しのためだ。有名な求人サイトに手早く登録し、求人情報を閲覧した。「あった」 保険会社の求人を発見し、思わず声を上げた。応募フォームに記入するのは履歴書とほぼ同じ内容で、氏名、年齢、学歴・職歴、免許や資格の有無などだ。郵送の手間を考えれば、企業にとっても応募者にとっても良い方法だと言える。 入力を終えて、送信ボタンを押すと...全文を読む

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『親愛なるあなたへ』 第二章 決意 -3-

第二章 決意

2014.02.17 (Mon)

 「資料の返却の件にしても……」 加々見は煙たそうな顔で首を横に振った。「柳瀬君……」「はい」「あなた、歳はいくつですか?」 佐野と同じ質問だ。「二十七です」「私は定年まで後三年ですが、はっきり言って、この仕事にやる気ややりがいは感じていません」加々見の口調はその言葉の通り、寸分の迷いも見当たらなかった。拓郎の望みは完全に潰えた。「だからと言って辞めるわけにはいきません。この年齢で転職は難しいでしょうし...全文を読む

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『親愛なるあなたへ』 第二章 決意 -2-

第二章 決意

2014.02.14 (Fri)

  午前中のこともあり、拓郎は重い足取りで会社に戻った。部屋にいるのはまた秋吉だけだった。 加々見の机の上に、熱心に読んでいた本が置かれている。ずっと内容が気になっていた拓郎は、秋吉に気付かれぬようタイトルを確認してみた。『新入社員殺人事件』 筆者は有名なミステリー作家だ。拓郎は唖然とした。加々見が丸一日、時間を費やして読んでいるのはただの推理小説だったのだ。 いったいどういうことなのだ。室長はここ...全文を読む

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『約束』

忙しい人たちへ(掌編集)

2014.02.11 (Tue)

  お友達のlimeさん(小説ブログ「DOOR」)のところであるイラストが公開されていて、好きに持って帰って、SSや挿し絵に使って下さいという記事が書かれていまして……いつの間にかそれが企画のようになって、いろいろな方が作品化されています。(お付き合いさせていただいている方がほぼ同じなので、もはや説明など必要なかったのでしょうけど、一応)。 多分、一番驚いているのはlimeさんご自身だと思うのですが、イラスト...全文を読む

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『親愛なるあなたへ』 第二章 決意 -1-

第二章 決意

2014.02.11 (Tue)

 「いるかいらんか、ジャンケンホイ!」 坂口と吉田、二人の少年が拓郎の前でジャンケンをしていた。ドッジボールのチーム分けで最後まで残った拓郎を、自分のチームに入れるかどうかの勝負だ。勝ったほうに決定権があり、負けたほうは無条件でそれを受け入れなければならない。 坂口はルックスが良くてスポーツ万能、女子に人気があった。吉田は皆より体が大きく腕力も強かった。どちらも拓郎とは違い、クラスでは目立つ存在だっ...全文を読む

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『親愛なるあなたへ』 第一章 死霊館 -5-

第一章 死霊館

2014.02.08 (Sat)

  終業時間の午後六時を迎えた。昼休みと同じく、佐野は機敏に席を立った。「お先に失礼します」と言った時にはもう体は部屋の外に出ていた。加々見は本から視線を上げずにそれに応える。「はい。お疲れ様でした」 台本の台詞を棒読みするかのようで、まるで感情が籠っていない。続いて秋吉が立ち上がった。「お先に失礼しまーす」 加々見は佐野のときと同じ台詞で応えると、しおりを挟んで本を閉じた。両腕を上げて気持ち良さそ...全文を読む

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『親愛なるあなたへ』 第一章 死霊館 -4-

第一章 死霊館

2014.02.05 (Wed)

  そうこうしているうちに壁に掛けられた時計が午後0時を告げた。佐野はそれを待っていたかのように部屋から出て行った。秋吉も無言でそれに続いた。 加々見はチラリと時計に目をやって、本にしおりを挟んだ。「柳瀬君もお昼にして下さい」「はい。室長は?」「私はお弁当です」「佐野さんと秋吉さんは?」「あの二人は外食です。いつも十二時になるとすぐに出て行きますよ」「そっ、そうですか」 どこか重い気持ちを抱えて、拓...全文を読む

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『親愛なるあなたへ』 第一章 死霊館 -3-

第一章 死霊館

2014.02.02 (Sun)

  拓郎は自分に宛がわれた席に座り、周りの様子を窺いながら、私物を整理していった。 誰ひとり口を開く者はいなかった。 加々見は本を読んでいるが、書店の名前入りのブックカバーが付いているため、どんなものかは分からない。佐野は肘をついた姿勢で資料らしきものをパラパラとめくっている。時折欠伸をして、いかにも眠そうだ。秋吉はパソコンに向かってゆっくりとしたキータッチで何かを打ち込んでいた。 早々と私物の整理...全文を読む

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