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【  2012年08月  】 

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『それでも私を愛してくれますか』 第五章 神の悪戯 -3-

第五章 神の悪戯

2012.08.30 (Thu)

  しばらく恋愛を忘れることにした。 仕事は思った以上に捗った。自分の中で簡単な目標を設定して、それをクリアしていくことが達成感に繋がった。 日曜日も昔と変わらなくなっただけだ。友人と食事に行ったり、ボウリングをしたり、ドライブや釣りにも出掛けた。 急に付き合いが良くなった僕に「フラれたのか?」と、長谷川や田崎は尋ねた。 今度は潔く認めた。もう嘘をつく意味などないのだ。二人から慰めの言葉などなく、『...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第五章 神の悪戯 -2-

第五章 神の悪戯

2012.08.28 (Tue)

 「プライバシーに踏み込んで申し訳ないが、あなたがここに来た理由は恋人にフラれたからだそうですね?」 ドキッとした。支配人は全てお見通しのようだった。「恋人にフラれたとき、あなたはどんな気持ちでしたか? ひどく傷ついたからここに癒されに来たのではなかったのですか? あなたの言葉に彼女が傷つくとは思わなかったのですか?」 支配人の質問攻めに僕の心はどんどん追い詰められていった。「黙って会うのを止めるこ...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第五章 神の悪戯 -1-

第五章 神の悪戯

2012.08.26 (Sun)

  聞き慣れた携帯電話のアラーム音で目が覚めた。 体中が痛い。頭は本当に割れてしまうんじゃないかと思えるほどだ。最悪なのは胃の不快感で、気を抜けばすぐに吐いてしまいそうだった。 ヤケになって取った行動で何かが解決したかと言えば、何も解決していない。杏子にしたことが記憶から消えるはずもなかった。 傷だらけで出社した僕は皆の注目の的となった。ひそひそと囁くような声が不快だった。誰もが妙な気の使い方をして...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第四章 タブー -7-

第四章 タブー

2012.08.24 (Fri)

  五分ほどして薄手のワンピース一枚に下着だけの女の子が部屋に入ってきた。マスカラやアイシャドウをふんだんに使った派手なメイクに茶色の巻き毛、両耳には小さな赤いピアスが二つ。彼女は僕を見るなり、口元をきゅっと上げて微笑んでみせた。「こんばんは。奈々です」 奈々は「服を脱いで」と僕に告げ、自分自身もあっという間に全裸になった。恥ずかしさなどまるでなさそうで、すっかり慣れた様子だ。いつまでも服を脱がずに...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第四章 タブー -6-

第四章 タブー

2012.08.22 (Wed)

  杏子はところどころ詰まりながら言葉を紡いだ。「会わないで……欲しいって……どういうこと?」「つまり……この仕事を辞めて欲しいってことなんだ」 杏子が目を大きく見開いた。それは呆気にとられたという表情だった。「俺、杏子のことが好きだから。他の男と会って欲しくないし、他の男に好きなんて言って欲しくないんだ」 自分でも無理なことを言っているのはわかっていた。もしここで彼女が「わかった」と言ってくれれば、何か...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第四章 タブー -5-

第四章 タブー

2012.08.20 (Mon)

 「まさか風俗とか飲み屋の姉ちゃんじゃないだろうなあ?」 あれは風俗になるのか。確かに不特定多数の男を相手にすることには違いないが……。「僕がそんなところに行かないことは、水島さんも知っていると思うんですけど」「そりゃな。でも寂しさからフッと……ってこともあるだろう」「違いますって」「それならいいがな。ただあの姉ちゃんたちの言葉は鵜呑みにしないほうがいいぞ」「それならいい」と言ったにも関わらず、水島は険...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第四章 タブー -4-

第四章 タブー

2012.08.18 (Sat)

  人はいつか死んでしまうということは充分わかっていたし、事故や病気で突然死んでしまう可能性だって知っている。しかし心の中では、「死ぬのは歳をとってからで、僕たちのように若い人間が死ぬはずはない」と高を括っている。だからこそ「半年の命だったら」なんてことは真剣に考えたことはないし、考えたとしてもあくまで仮定の範囲内に過ぎない。 それにそんな悲観的な可能性ばかり考えて生きていたのでは身が持たないのも確...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第四章 タブー -3-

第四章 タブー

2012.08.16 (Thu)

  映画のタイトルは『六ヶ月』。ジャンルは邦画の人間ドラマ。 僕は洋画のアクションが好きなので、この映画はレンタルやテレビ放送も含めて一度も見たことがない。上映された当時は感動の作品として随分と話題になったものだ。 主人公である『茜』を演じた女優は、この映画がきっかけで一躍人気タレントの仲間入りを果たした。一見した男っぽさと、時折見せるかわいらしさとのギャップが彼女の魅力だ。 大学生の茜は勉強にサー...全文を読む

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【独り言】ところで先日の件は……

独り言(雑記)

2012.08.15 (Wed)

 先日、小説などを書かれる人ならば、誰でも一度くらい名前を聞いたことのあるであろう大手自費出版企業、B社さんより封書が届きました。そんなものが送られるような心覚えは全くありませんでしたので、訝しげな気持ちを抱いて開封いたしました。大まかな内容としては以下の通りです。『弊社は平成20年3月に倒産したS社さんの事業を引き継ぐこととなりました。S社さんが所有していた個人情報は弊社が責任を持って管理しておりま...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第四章 タブー -2-

第四章 タブー

2012.08.14 (Tue)

  随分昔のことをふと思い出した。「そうだ。一度だけかっこいいって言われたことがあったよ」「ほら! やっぱり」 杏子の顔がぱっと明るくなった。「小学生のとき、同じクラスにいた香織ちゃんって子には、かっこいいって言われたな」「そうなんだ」「がっかりした? 小学生のときのことで」 僕にしてみれば軽い笑い話のつもりだったが、杏子にとってはそうでもなかったらしい。目が輝いている。「詳しく聞かせて」  香織は...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第四章 タブー -1-

第四章 タブー

2012.08.12 (Sun)

  杏子と初めてのデートをしてから二ヶ月、休日になると僕は必ず彼女に会いに行った。 今では『ヘヴンズガール』の常連になり、支配人以外の従業員とも顔見知りになっていた。 「おはよう。克己」 待ち合わせ場所の駅前。後からやってきた杏子が小さく手を振った。「暑いね」と微笑み、額を湿らせる汗をハンカチで拭った。 七月になり、すっかり暑くなっていた。 ここは「作られた世界」だが、気温は外と同じ夏のものに設定さ...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第三章 新しい恋人 -7-

第三章 新しい恋人

2012.08.10 (Fri)

  杏子は立ち上がってスカートに付いた芝生を払うと、僕のそばへやってきた。「本当にどうしたの? ちょっと顔色が悪いけど……」「置いていかれたのかと思った」「そんなことするわけないじゃない」 杏子が優しく微笑んで、僕の両手をそっと握った。その手の温もりに少しだけ安心を感じた。「本当に?」「うん」 まるで母親がいなくなって騒ぐ子供だ。全く大の男がみっともない。 恥ずかしさを紛らわせるため、時計に目をやって...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第三章 新しい恋人 -6-

第三章 新しい恋人

2012.08.08 (Wed)

 「あの白鳥のそばに行って」 杏子にリクエストされたので、遥か遠くにいる一羽の白鳥へ向かって全力でボートを走らせた。 ひと漕ぎする度に息が荒くなり、腕が重たくなっていく。周りを見回してみたが、それほど躍起になってボートを動かしているのは僕くらいのものだった。「がんばれ! もうちょっと、もうちょっと!」 杏子の声でちらりと進行方向を確認すると、白鳥はすぐそこまで迫っていた。(もうひと踏ん張りだ) そう...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第三章 新しい恋人 -5-

第三章 新しい恋人

2012.08.06 (Mon)

  いつもの調子でドアを開けた途端、僕は驚くべき光景を目にした。 見慣れた真っ白で何もない部屋とは違い、そこに屋外の景色が広がっていたのだ。 晴れ渡った空、青々とした木々、手を繋ぐカップル、携帯電話を掛ける会社員風の男、駆け回る子供たち、子犬を散歩させる若い女の子、ベンチに腰掛ける老夫婦。 これは全てコンピュータが映し出した世界なのか。 恐る恐る部屋の中へ足を踏み入れてみた。ぐるりと辺りを見回したが...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第三章 新しい恋人 -4-

第三章 新しい恋人

2012.08.04 (Sat)

  メールを送ってから一時間、ようやく杏子から返事が届いた。『メールありがとう。私もすごく楽しかったです。 今度来るときは前もって連絡下さい。予定を空けて待っています。 プレゼントしたいものもあるので、必ずね。ではではおやすみなさい。杏子』『プレゼント』とはいったい何だろう。来てのお楽しみというわけか。 胸が躍った。気がついたら鼻歌を歌っていたり、口笛を吹いてみたり。自分の単純さに笑わずにいられなか...全文を読む

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『それでも私を愛してくれますか』 第三章 新しい恋人 -3-

第三章 新しい恋人

2012.08.02 (Thu)

 「どうやって立ち直ったの?」 僕の質問に杏子の顔がぱっと明るくなった。「もっといい恋を探すことにした」「もっといい恋?」「そう。私にとって彼との恋は最高の恋だった。もう彼以上の人には会えない。そう思ってた。でも考え方を変えたの。もっといい恋をすればいいんだって。次の恋を最高の恋にすれば、彼との恋は普通のいい恋に変わるでしょ?」 杏子の考え方を聞いた途端、曇っていた心が晴れ渡ったような気がした。そし...全文を読む

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