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【  2012年02月  】 

『秘密基地からの眺め』 あとがき

秘密基地からの眺め

2012.02.29 (Wed)

  子供の頃から自分の思っていることを口にするのが苦手だ。 主張や考えがないわけではない。ただそれをうまく表現できなかったり、他人のことを思うばかりに、自分の主張や考えは抑圧するほうを選ぶことが多い。 そんな私だから、皆の前で口を開くことは少なく、他人には「自分の考えがない奴」、「盛り上がりに欠けるつまらない奴」、「何を考えているかわからない取っつきにくい奴」と思われてしまいがちだ。当然、友達を作る...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 最終回

秘密基地からの眺め

2012.02.29 (Wed)

 「あれ、何やろうな?」 あの時も鉄塔のことを話題にしたのは、円筒の縁に腰掛けたヒロだった。 基地の中でトランプに夢中になっていた僕たち三人も、その言葉に誘われて上に上がった。 ヒロの指差す方向に見えるのは、黒あるいはグレーか銀色か、実際はわからないが、そんな色の鉄塔だった。「電気会社の何かやろう?」 そう答えたのは僕だ。 テレビか本で似たものを見た記憶があった。「そうかも知れんけど、てっぺんに付い...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第十二回

秘密基地からの眺め

2012.02.27 (Mon)

  涙が零れ落ちそうになるのをぐっと堪え、顔を上げた。周りからは啜り泣きが聞こえる。ヒロやゴウも涙ぐんで祭壇のほうをじっと見ている。  お経の読み上げが終わった。いよいよお別れのときだ。 まず親族がアイツの棺に花や思い出の品を入れていった。係の者が何かを話しているがよく聞こえない。それでも誰一人として、笑っている者がいないことだけはわかる。 ダイの父親や兄は神妙な顔をし、泣くのを懸命に堪えていた。弟...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第十一回

秘密基地からの眺め

2012.02.25 (Sat)

  葬儀開始時刻の十分前に僕たちは斎場に到着し、昨日と同じ後ろのほうのパイプ椅子に腰掛けた。 係の者がマイクを握って式の始まりを告げた。 通夜のときと同じ僧侶が全員に向かって一礼をした後、着席してお経を読み始めた。先に親族の者、続いて来賓に焼香の順が回ってきた。僕たちも例外なく、列に並んだ。  焼香を終えて、席に戻って目を閉じると、ダイとの思い出が頭を過ぎった。 昨日のように、頭の中を真っ白に塗りつ...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第十回

秘密基地からの眺め

2012.02.23 (Thu)

 『あなたの大切な友達を教えて下さい』 随分昔に見た、テレビ番組の企画だ。 若手タレントが素人にそう尋ねる。尋ねられた者は最も親しい友達数名の名前を挙げる。 その後、別のスタッフが名前の出た友達のところへ行き、同じように『あなたの大切な友達を教えて下さい』と告げる。 始めに登場した素人は、若手タレントと共に、ロケ車に設置されたモニターで、「自分の名前が含まれるかどうか」を確認するという流れだ。 誰に...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第九回

秘密基地からの眺め

2012.02.21 (Tue)

 「ユウキは何かやってないんか? 部活とか」「部活はやってへんけど、バンドはやってたな。でも文化祭が終わったからもう解散した」 バンドと言っても、オリジナルの曲を作ったわけではなく、にわか仕込みのコピーバンドだった。もちろん、それでも充分楽しんでやっていた。「もうやれへんの?」「うん。大学に行く奴と就職する奴に分かれるし、続けるのは難しいんとちゃうかってなってなあ」 それは僕の望んだことではなかった...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第八回

秘密基地からの眺め

2012.02.19 (Sun)

  最前列のパイプ椅子の前に、ダイの母親、奥さんと娘、そして親戚と思われる女性たちが神妙な顔つきで座っていた。母親と奥さんは僕たち三人を見て、「あっ」と声にならぬ声を出した後、静かに頭を下げた。僕たちはそれに応え、まずヒロが焼香のために前へ出た。次はゴウ、そして僕が最後になった。 たくさんの花に囲まれた祭壇に飾られているのは紛れもなく、ダイの写真だった。爽やかに白い歯を見せているアイツの顔を見ている...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第七回

秘密基地からの眺め

2012.02.17 (Fri)

  小学校を卒業した僕たちは地元の中学校に入学した。 四人とも別のクラスに別れてしまったが、関係はそれまでどおり続いた。 ただし、それも五月の初め頃までだった。 クラスの中に新しい友達ができたり、部活を始めたりと、放課後の使い方や共に過ごす相手は次第に変わっていき、見掛ければ挨拶をする程度の仲になっていった。 それを当たり前だとは思わなかったし、寂しいとも思わなかった。そんなことを感じるにしては、僕...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第六回

秘密基地からの眺め

2012.02.15 (Wed)

  風呂場へ向かう姉の後ろ姿を確認した僕は腹を押さえてゆっくりと立ち上がった。「いてててて……」 そのままドアを抜けて、トイレへ行くふりをして、二階の自分の部屋へ駆け込んだ。ベランダへ出ると、手摺りにぶら下げてある白いタオルを掴んで頭の上で振り回した。 作戦開始の合図だ。 薄暗い道路に立つヒロが僕の合図で、少し離れたところに立つダイへ同じようにタオルで合図を送る。 続けてダイは風呂場の窓下に潜むゴウへ...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第五回

秘密基地からの眺め

2012.02.13 (Mon)

 「お前ら、これ見てみ!」 遅れてやってきたダイが僕たち三人に差し出したのは成人雑誌のグラビアだった。「おおっ!」という声と共に、僕たちはお互いの頭をぶつけ合うくらい、一斉にその写真を覗き込んだ。自分たちよりずっと年上の女性が艶めかしいポーズで裸体を晒していた。 刺激的としか言いようがなかった。クラスの女子の僅かに膨らんだ胸やお尻を体操服の上から見ることはあったが、例え写真でも成熟した女性の乳房や尻...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第四回

秘密基地からの眺め

2012.02.11 (Sat)

  ゲームは進み、一番に抜けたのはゴウだった。その次はヒロ。 当然、残ったのはダイと僕だ。「ババ」はダイの手元にあった。その他のカードはお互い一枚ずつ。つまり先にババじゃないほうを引いたほうが勝ちだ。 緊迫した空気が流れた。やはり何かが賭かっていると違う。 皆の前で一番初めに、自分の気持ちを晒すのは恥ずかしいことだ。 負けたくなかった。 ダイは二枚のカードを背中の後ろで混ぜた後、右手と左手にそれぞれ...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第三回

秘密基地からの眺め

2012.02.09 (Thu)

  これといった目的や目標があるわけではなかったが、「好奇心を満たしてくれる何かと出会うことができる」、そんなぼんやりとした未来に期待し、心を躍らせていた。それはきっと僕だけじゃない。ダイも、ヒロも、ゴウも、皆がそう思っていたに違いない。「次はルールでも決めようや」 そう言ったのはやはりダイだった。基地建設とチームの結成は彼の中で随分前に描いていたことなのだろう。「やっぱり組織にルールは必要やろ?」...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第二回

秘密基地からの眺め

2012.02.07 (Tue)

  それぞれ自宅にランドセルを放り込んだ後、ダイの家に集まった。 基地の建築予定場所は、そこから自転車で十五分ほどのところにあった。小さな運河のそばにある建築資材置き場で、レンガやブロックといった身近なものの他に、コンクリートの土管や波消しブロックのような公共向けの巨大なものも置かれていた。 ただ管理は随分と杜撰でどれもこれも大した養生もされず、風雨に晒されるがままの状態になっていた。河の水も黒く濁...全文を読む

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『秘密基地からの眺め』 第一回

秘密基地からの眺め

2012.02.05 (Sun)

 ~ 生涯の親友 H.Yに捧ぐ ~  セットしていた携帯電話のアラームが午後一時を知らせた。 椅子に座り、机にひれ伏した態勢から上半身を起こし、「うーん」という掛け声と共に両腕を天井に向かって伸ばす。そのまま力を抜いて、一気に腕を下ろす瞬間が寝起きには堪らなく気持ちが良い。 ほんの僅かな眠りでも、あるのとないのでは、午後からの仕事の捗り方が違う。僕のように一日中パソコンと睨めっこをしている者には特に...全文を読む

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【独り言】次回作のご案内&お知らせ

独り言(雑記)

2012.02.03 (Fri)

 三周年記念作品、『かつての我が家で少女と』をお読みくださり、ありがとうございました。異性の幼馴染には本当憧れますね。恐らく子供の頃、夢中になった、あだち充氏の『タッチ』の影響かと思います。笑。しかし現実は甘くなく、お隣に南ちゃんのような可愛くて性格のいい子がいるはずもありません。今度生まれ変わったら、かわいらしい幼馴染に恵まれたいです。次回からちょっと長い作品が続きます。どうぞ、お付き合いください...全文を読む

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『かつての我が家で少女と』 最終回

かつての我が家で少女と

2012.02.01 (Wed)

  車のドアが一斉に閉まる音に続いて、エンジンの掛かる音が聞こえた。 私は慌てて、窓の外へ顔を出した。そこから見えたのは、紺色の乗用車の天井と、手を振る私の父と母だった。 あの日、私は度重なる母の呼びかけにも応えず、自分の部屋に篭って、遥の見送りに出なかった。すぐにでも階段を駆け下りていきたかったが、それができなかった。ここまで意地を張り通したのに、「今更」という気持ちがあったからだ。『ウチは政樹ち...全文を読む

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【独り言】アルファポリス 第五回 恋愛小説大賞

独り言(雑記)

2012.02.01 (Wed)

  アルファポリスさんの『第五回 恋愛小説大賞』に参加することにいたしました。 参加作品は、恋愛オムニバス『愛のカタチと恋のモヨウ』です。 ...全文を読む

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