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【  2011年11月  】 

『満月の夜でサヨナラ』 第九章 あなたと二人で -2-

第九章 あなたと二人で

2011.11.30 (Wed)

  家には帰らず、その足で図書館へ向かった。もちろん、必ず冬馬さんに会えるという保証はどこにもない。それでも会いたい気持ちがいっぱいでそうせずにはいられなかった。 約束の「一ヶ月後」からもう随分と日が経っている。 もしかしたら彼は怒っているかも知れない。嫌われたかもしれない。それならすぐに謝りたい。 自動ドアを潜って中へ入ると、私は足早に館内を歩き回った。心拍数が上がっている。(いた!) 壁際の丸椅...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第九章 あなたと二人で -1-

第九章 あなたと二人で

2011.11.28 (Mon)

  20XX年10月31日 ~woman~「武彦!」 目の前で友理さんがヒステリックな声を上げていた。私には何が何だかさっぱりわからなかった。「どうして……」 友理さんは項垂れて、床に両手をついた。「友理さん……」 恐る恐るその名を呼ぶと、彼女は顔を上げて、キッと鋭い目で私を睨んだ。「あなたが……あなたがいるから、武彦は……」「えっ……」 言葉が続かず、呆気に取られていると、両肩を友理さんに掴まれた。「あなたなんか……あな...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第八章 望み -3-

第八章 望み

2011.11.26 (Sat)

 「コーヒーのおかわりは?」 友理は毎日のように夕食を作りに来てくれる。おまけに食後のコーヒー付きだ。しかし・・・・・・。「もういいよ」「まだお湯が少し残っているから飲んでしまって」「でもこれでもう四杯目だ」「あと一杯だけ」「……わかった」 コーヒーが嫌いなわけではない。むしろ、食後のコーヒーは最高だと言える。ただこうして何杯も立て続けに飲むと、胃も重たくなってくる。 カップを目の前に置かれても手を伸ばす気...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第八章 望み -2-

第八章 望み

2011.11.25 (Fri)

 「どんな話をした?」「別に。自己紹介程度よ」「そうか・・・・・・」 俺の返す携帯電話を受け取りながら、友理が言った。「私、この一ヶ月、『朔望症』について調べてみたのよ」「何かわかった?」「本とインターネットには大したことは出ていなかった。世間に認知されていなのも無理ないわ」「大したことのないことなら出ていたのかい?」「例えば、『名前を書いた紙を入れると疎遠になった人と再会できる箱』とか、『現代のサンタク...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第八章 望み -1-

第八章 望み

2011.11.23 (Wed)

  20XX年9月30日 ~man~ 遠くで俺の好きな曲が流れている。気に入らないのは間に混じるブーブーという音。そして硬いものを叩くようなガタガタという音。『○○ミックス』やら『××ヴァージョン』などと言って、オリジナルの曲をアレンジしてカバーする連中が俺は嫌いだ。しかし今、聞こえているのはもっと質が悪い。リズムも無茶苦茶でどう考えても合っているとは思えない。 一刻も早く不快な音を消すため、俺は目を開くことと身...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第七章 二月と三月 -5-

第七章 二月と三月

2011.11.21 (Mon)

  それ以来、図書館で冬馬さんと顔を合わせると、公園に出て話をするようになった。 冬馬さんは本当に本が好きらしく、休日はほとんど読書に時間を費やしているようだ。その分知識は豊富だった。「読書が趣味なんて地味ってみんなには言われるけどね」 そう言って、冬馬さんは苦笑したが、私の知らないことをたくさん知る彼との会話は、とても面白いものだった。優しく丁寧に冗談を交えながら話してくれるため、嫌味がなく知識の...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第七章 二月と三月 -4-

第七章 二月と三月

2011.11.19 (Sat)

  図書館のそばには公園がある。国が管理しているところで、遊具だけでなく、売店や回遊を楽しめる池もある、それなりに大きな公園だった。 一時期に比べると日差しも優しくなり、木陰やベンチで読書を楽しむ者も多かった。 気の向くままに園内を歩く私に、黙ってついて来ていた彼が、痺れを切らしたかのように口を開いた。「そこのベンチが空いているんで、座りませんか?」 ひょっとすると空いているベンチをずっと探していた...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第七章 二月と三月 -3-

第七章 二月と三月

2011.11.17 (Thu)

 「……ごめんなさい」「惣菜コーナーの作業場に水道を借りに来られたとき、僕が『お好きなだけどうぞ』と言ったら笑ってくれたんですけど……」 記憶の糸を手繰り寄せてみたが、やはり覚えがない。少しかわいそうな気がしたので、当たり障りのない答えを返すことにした。「そう言えば、そんなことがあった気がしますね」「そうでしょ?」 静まり返った館内に男の声が響き渡った。私が反射的に人差し指を口元に当てると、男性はバツが...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第七章 二月と三月 -2-

第七章 二月と三月

2011.11.15 (Tue)

  夕食の買い物からマンションへ帰ると、エントランスで立つ一人の女性に声を掛けられた。「倉本弥生さん?」「はい」「私のこと、わかる?」「……友理さん?」 そう。武彦の恋人だ。「嘘じゃなかったのね」「病気のことを聞いたんですか?」 友理さんは「そうよ」と答えると、私の頭から足の先までを、値踏みするようにじっくりと見た。いい気はしなかった。「こうして近くで見ると、似ているわね。もちろん、あなたのほうがずっ...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第七章 二月と三月 -1-

第七章 二月と三月

2011.11.13 (Sun)

  20XX年8月30日 ~woman~ 気持ちの良い目覚めだった。暑過ぎず、寒過ぎず、乾燥しているわけでもなく、湿っぽいわけでもない。武彦が眠る前に入れたエアコンがうまい具合に効いて、今の私にとって快適な室温を作り出したのだろう。意図的にできることではない。いくつもの偶然が重なりあった結果に違いない。 カーテンを開け、窓の外へ目を向けると、眩しさに手をかざさずにはいられなかった。ロックを外して窓を開けると、こ...全文を読む

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【独り言】アンケートを作ってみた

独り言(雑記)

2011.11.12 (Sat)

 最近、私の周りの人たちの間で、投票が流行っているようなので、私もやってみることにしました。(すぐ流行に乗りたがる)トップページにございます。ただ私はシリーズ物なんてございませんので、人気キャラ投票ではなく、人気作品投票にしてみました。お気に入りの作品に投票お願いします。お一人様何度でも投票可能でございます。複数の作品への投票でも構いません。はたまた一つの作品へひたすら投票でもオッケイです。まだ読ん...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第六章 苛立ち -5-

第六章 苛立ち

2011.11.11 (Fri)

  近所の大通りにある韓国料理店に入った。注文を済ませると、先に友理が口を開いた。「あれから四ヶ月かしら?」「そうだな。まだ少し厚着をしていた頃だな」「前の仕事はどうしたの?」「……クビになった」「クビ?」 友理が目を丸くした。「どうして? 遅刻のし過ぎ? それとも何か失敗でもしたの?」 彼女にはあまり遠慮というものがない。「俺、病気なんだ」 真実を話すつもりだった。「体は……悪そうに見えないわね。今日...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第六章 苛立ち -4-

第六章 苛立ち

2011.11.09 (Wed)

 『もしもし』 プツリとコール音が途切れ、女の声が聞こえた。願いはかなわなかった。 俺は大きく深呼吸をした後、なるべく冷静な声を出すよう努めた。「S電気のエアコン設置業者ですが、森崎様でしょうか?」『はい。そうです』 電話の相手が自分の昔の恋人だとは、女が知るはずもない。 友理の住むマンションは、俺の住む場所から一時間程度のところにあった。 前の入居者が残していったエアコンを使用しているが、あまり調...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第六章 苛立ち -3-

第六章 苛立ち

2011.11.07 (Mon)

 「日々、努力は続けています」 珍しく吉澤が険しい顔でそう言った。「治療法は見つかったんですか?」という俺の口調が彼を追い詰めるようなものだったからかもしれない。 不便な生活に対する苛立ちが募り始めていた。 毎月のように新しい仕事を探さなければならないことは、考えただけでも苦痛だったし、採否の結果を待つ間の落ち着かない気分も不快で仕方なかった。蓄えはあるが、いつまでそれが続くのかは正直わからない。例...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第六章 苛立ち -2-

第六章 苛立ち

2011.11.05 (Sat)

  朝食を終えると、散歩に出ることにした。 リードを手にした途端、マーチが立ち上がって気持ち良さそうに背伸びをした。この調子のいい奴とどこまでうまく付き合っていけるか、正直わからなかった。 マンションのエントランスへ出ると、管理人がちょうど植込みにホースで水をやっているところだった。俺の顔を見ると「久しぶりだね」と少しだけ笑った。『武彦さんが言うより、ずっと優しい人でしたよ』という手紙に書かれた弥生...全文を読む

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『満月の夜でサヨナラ』 第六章 苛立ち -1-

第六章 苛立ち

2011.11.03 (Thu)

  20XX年7月30日 ~man~ 体中を湿らせる汗を不快に感じて目が覚めた。上半身を起こすと、シャツが背中に張りついていることに気が付いた。足元には扇風機が置いてあるが、何時間も前に役割を放棄してしまったらしい。バツが悪いのか、俺からは顔を背けている。 この前、「俺」が「俺」だったときは、「少しムシムシするな」程度だったが、このひと月ですっかり夏らしくなったようだ。 とりあえずこの暑さを何とかせねばと、エ...全文を読む

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【独り言】帰ってきたぞー!

独り言(雑記)

2011.11.02 (Wed)

 皆様、ご無沙汰しております。ヒロハルです。本日、ようやく退院することができました。いやー、長かった。当初の予定を大きく上回る、およそ一ヶ月の入院生活でした。ただ完治したわけではありません。完全に骨がくっつくまでには3から4ヶ月は必要らしいです。痛みはほとんど感じないですが、やはり固いものは食べれません。しばらくは通院するのと、寝るときはゴムで口を固定して寝ることになります。小説は6冊読み、溜まり溜...全文を読む

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