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【  2011年02月  】 

『重要な選択』 最終章 重要な選択 -6-

最終章 重要な選択

2011.02.28 (Mon)

  発見された遺体は首を絞められ、埋められていたという点から、警察は他殺として捜査を開始した。 遺体は腐敗しているが、辛うじて人相は確認できる。但し、所持品は何もなく、身元を判明する手掛かりはゼロだった。  浅井と佐々木は捜索願いの出ている家出人や行方不明者の名簿を当たってみたが、該当者はいなかった。 このまま被害者は身元不明者リストに追加されるものだと二人が諦め始めた頃、警察に一通の封書が届いた。...全文を読む

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『重要な選択』 最終章 重要な選択 -5-

最終章 重要な選択

2011.02.27 (Sun)

  次の日は午前九時過ぎに目を覚ました。真奈美は先に起きてテレビを見ていたが、僕の姿を見るとすぐに立ち上がって朝食の用意を始めた。 テレビではニュースをやっていたが、Bに関するものではなかった。 このままもう何も変わらないのではないか。そんな気がした。 そしてやがては事件があったことさえ忘れ去られていくのだ。今の時代、人が殺されることは何一つ珍しくない。次から次へと起こる殺人に振り回されて、よほど印...全文を読む

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『重要な選択』 最終章 重要な選択 -4-

最終章 重要な選択

2011.02.26 (Sat)

  土曜日の夜、真奈美が珍しいことを口にした。「ねえ、晴信」「なんだい?」「今日は背中流してあげようか?」「どうしたんだい? 急に・・・・・・」 真奈美と暮らし始めて今までそんなことを言った覚えはなかった。 何かあるのか。「ほら、晴信さ、一生懸命働いているし、たまには感謝の気持ちを込めてね」「君だって働いているじゃないか?」「そうだけど、なんて言うか結婚してるみたいに思えなくて・・・・・・もちろん、式はまだだけ...全文を読む

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『重要な選択』 最終章 重要な選択 -3-

最終章 重要な選択

2011.02.25 (Fri)

  どれくらい掘りつづけただろうか。 Bの遺体が入るほどの穴ができた頃には、辺りはすっかり薄暗くなっていた。 念のため、もう一度脈がないのを確認した後、Bのズボンから財布と車のキーを抜き取った。免許証など身元を証明するものは取り上げていく必要があるからだ。 彼の瞼を閉じさせて、その体を抱えようとしたが、重くて持ち上がらない。 それならば引きずり込もうと考えてBの膝を曲げようと試みたが、硬くて曲がらな...全文を読む

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『重要な選択』 最終章 重要な選択 -2-

最終章 重要な選択

2011.02.24 (Thu)

  木の枝を手で避けて山の中に足を踏み入れた。僕が先に登ってBが後に続く形になった。   鬱蒼と茂る木に囲まれているため、様子を見に行くと言っても、何も見えるわけがないのだ。 しばらく登ると、Bが足を止めた。「なあ、このまま登って行くほうが危険じゃないか? どう考えたって何も見えるとは思えないが・・・・・・」 そろそろBを騙すのも限界だろう。  登ってきた道に視線を向けてみた。車は見えない。逆に言えば車道...全文を読む

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『重要な選択』 最終章 重要な選択 -1-

最終章 重要な選択

2011.02.23 (Wed)

  真奈美と二人で生活をするようになって一週間、Bとして生活するようになってからは四週間が過ぎた。 誰一人として僕を疑う者はいない。両親や会社の人間の態度も何一つ変わりない。真奈美はいつもかわいくて、僕に尽くしてくれる。 このまま平穏無事に一生を終えることができるに違いない。毎日が充実していて幸せだった。 就職活動がうまくいかず、ウジウジと悩み、陰鬱な気分に陥っていたときとは明らかに違った。 笑いが...全文を読む

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『重要な選択』 第四章 第三の僕 -5-

第四章 第三の僕

2011.02.22 (Tue)

  近くのホテルに入った。そこがどんな店であろうと僕には関係なかった。 先にシャワーを浴びた僕はベッドに腰掛け、真奈美がバスルームから出てくるのを静かに、じっと待っていた。 心の中は穏やかとは程遠く、興奮の嵐が吹き荒れていた。今日一日で心臓はゆうに一年分くらいの運動をしたかもしれない。 真奈美は今どんな気持ちなのだろうか。 僕と同じように緊張しているのか。それともすでにBとは相当な数をこなしていて、...全文を読む

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『重要な選択』 第四章 第三の僕 -4-

第四章 第三の僕

2011.02.21 (Mon)

  映画が終わると時刻は午後四時を過ぎていた。「面白かったね?」 「ああ」 後で何を聞かれても答えられるように、僕は映画をじっくりと見た。登場人物の口にする軽いジョークやスクリーンの隅にちらりと映っただけの小さな花まで。 もしかしたらBは根っからの映画好きで、内容を事細かに言うことができる奴かもしれない。そんなことが頭に浮かんだのだ。 普通に考えればくだらないことだが、僕にとっては重要なことだった。...全文を読む

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『重要な選択』 第四章 第三の僕 -3-

第四章 第三の僕

2011.02.20 (Sun)

  不安は早めに解消するべきだと考えた僕は、次の日曜日に真奈美と会う約束をした。 待ち合わせ場所は駅前。Bと真奈美はいつもどこで待ち合わせをしていたのだろうか。 約束の時間は午後二時だったが、三十分ほど早く到着した。緊張で家にいることに耐えられなかったのだ。 駅に着いたからと言って緊張が和らぐはずもなかった。むしろ、余計に落ち着かなくなった。辺りをきょろきょろと見回し、無意味に同じ場所を徘徊している...全文を読む

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『重要な選択』 第四章 第三の僕 -2-

第四章 第三の僕

2011.02.19 (Sat)

  一睡もすることができなかった僕は、午前六時四十分を告げる目覚まし時計の音をはっきりとした頭で聞いた。「おはよう」 父も母も怪しむ様子もなく、挨拶を返した。 二人にとっては昨日までと何一つ変わらない朝なのだろう。 母が朝食の支度を始めると、まず親父が起きて来て新聞を手にする。しばらくすると、寝癖のついた僕が部屋から出てくる。 そして一日が始まる。 七時三十分に家を出た。 エレベーターで、隣に住む中...全文を読む

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『重要な選択』 第四章 第三の僕 -1-

第四章 第三の僕

2011.02.18 (Fri)

 「ただいま」 僕の声を聞き、母は洗い終えた食器を直す手を止めた。「おかえり。どこか行ってたの?」「ああ、友達とドライブに行ってたんだ」「そう。あれ? お前そんな服持ってたの?」 思わぬ問いかけに動揺は隠せなかった。「こっ、これ? この前買ったばかりなんだ」「ふーん」 母はそれ以上追及して来なかった。 親父はテレビでプロ野球を観戦している。「そこに投げちゃダメだろ」 聞こえるはずのないテレビの中のピ...全文を読む

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【独り言】テンプレートについての悩み

独り言(雑記)

2011.02.17 (Thu)

 久しぶりに独り言(雑記)です。現在使っている小説用テンプレートに変更して随分たちます。通常のブログのテンプレートに比べると、雰囲気も良くて、読む方にもわかり易くてとても気に入っています。ただこのテンプレートには問題があります。記事の冒頭部、一文字目が勝手に大きくなるのです。今、この記事で言うと「久」の字が大きくなっていると思います。もちろん、手はあります。一行目に空行を設けることで、これを回避できま...全文を読む

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『重要な選択』 第三章までのまとめ

第三章 Bと僕

2011.02.16 (Wed)

  『重要な選択』 第三章までまとめ 就職活動がうまくいかずに悩む僕(山崎晴信)は、成績の優秀だった高校時代に就職するべきだったと、大学に入学したことを後悔していた。 「そういった考えはこの世界での君の存在を危うくする」 見知らぬ老人の警告を軽くあしらった僕だが、すぐにその言葉の意味を知る。  ある日の朝、目を覚ますと別の世界へと紛れ込んでいたのだ。 そこは大学への進学を止め、就職した僕の暮らす世界...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -13-

第三章 Bと僕

2011.02.15 (Tue)

  約束の二ヶ月が過ぎた。 働くことで得る充実感からか、その時間は驚くほど早いものだった。  機械のほうも触らせてもらい、ほとんどの操作ができるようになった。 それだけではない。Bの仕事は何でもやらせてもらい、彼のできる仕事は僕もできるようになった。それほど積極的になれたのはBに対するライバル意識があったからだ。 「ごくろうさん」「ありがとうございます」 専務が差し出す給料袋を僕はありがたく受け取っ...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -12-

第三章 Bと僕

2011.02.14 (Mon)

  次の日から予定通りBと同じ職場で働くことになった。 車用の部品を機械で加工し、それを梱包するのが一連の作業だ。Bは機械を担当し、僕は梱包がメインだった。 機械のほうもやってみたかったが、すぐに触らせてくれるとは思えなかった。 休憩時間になると、Bが弁当を持って僕のほうへやってきた。「どうだ?」「ああ。何とかやれそうだよ」「そうか」 Bが優しく微笑んだ。 僕がBの友達だからということもあってか、周...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -11-

第三章 Bと僕

2011.02.13 (Sun)

  Bにひとつ頼みごとをすることにした。 頼まれたら断ることのできないB、そして僕だから、きっと引き受けてくれるだろう。  翌日の正午過ぎ、何の約束もなしに『F自動車部品』へ行き、Bを呼び出した。「悪いな、休憩中に・・・・・・」「いや、構わないよ」 幸せそうな笑顔だ。「もう飯は食ったのか?」「うん。食ったよ」「そうか。実は・・・・・・ちょっと頼みごとがあるんだけど・・・・・・」「なんだい?」 「その……言い辛いんだけど...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -10-

第三章 Bと僕

2011.02.12 (Sat)

  電車の中は会社帰りのサラリーマンやOL、学校帰りの学生でいっぱいだった。 この中の一体どれほどの人間が自分は「今、幸せだ」と感じているだろうか。 もしかしたらBほどの幸せ者はいないのではないか。 もちろん、そんなはずはない。しかし今の僕にはそんな考えしか浮かんでこなかった。  改札を通り、駅を出たところで意外な人物を見掛けた。衝撃を受けた僕はしばらく動くことができなかった。 それは親父だった。 ...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -9-

第三章 Bと僕

2011.02.11 (Fri)

  会社帰りの真奈美を見つけてもすぐには声を掛けなかった。辺りを充分に見回して、もう一度彼女が一人であるかを確認した。Bはどこにもいないようだ。「やっぱり木村さんだ」 自分の名が呼ばれても、真奈美は僕が誰であるかはわからないようだった。「忘れちゃったかな? 先週の土曜日に会った山崎の……」 真奈美の顔がぱっと明るくなった。思い出したようだ。「えーっと、田中さんだったわね?」「そうです。田中です。今、会...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -8-

第三章 Bと僕

2011.02.10 (Thu)

  翌週の日曜日、木村真奈美について尋ねるため、Bの家を尋ねた。「この前一緒にいた女の人、かわいい子だったな?」「えっ? ああ、真奈美のことか・・・・・・」 こともあろうかBは彼女のことをファーストネームで呼んでいる。大した進歩だ。「いったいどこで捕まえたんだ?」「大学に行っている友達がコンパに誘ってくれてさ、そこで知り合ったんだ」 大学に行っている友達? 誰だ。工藤か? それとも小林か? あいつら、一度...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -7-

第三章 Bと僕

2011.02.09 (Wed)

  この世界に迷い込んで、早くも四週間が過ぎようとした。Bと会うのは日曜日だけだった。 それ以外の日に僕が何をしているかというと、何もしていない。 ただ部屋でテレビを見たり、ゲームをしたり、本を読んだりしている。外を出歩いても元の世界と違うのはBの存在だけで、それ以外は何一つ違わない。 電車は時刻表通りに走るし、信号は青から赤に変わる。太陽は沈むし、雨だって降る。外を出歩いても何も面白いことはない。...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -6-

第三章 Bと僕

2011.02.08 (Tue)

  老人がくれた金のおかげで生活には苦労しなかったが、乱暴な使い方もできなかった。何しろ、僕の身元は不定なのだからバイトをすることもできない。この金が尽きたときがこの世界とおさらばするときだ。それまでにBの事をもっとよく知っておきたかった。  次の日曜日、Bから電話がかかってきた。「もしもし、山崎だけど・・・・・・」「君のほうからかけてくるなんては思ってもいなかった」というような野暮なことを僕は言わない。...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -5-

第三章 Bと僕

2011.02.07 (Mon)

  Bの部屋は僕の部屋とよく似ていた。 本棚や机、テレビ、ステレオの位置はほぼ同じ。物の配置というのはある程度感性に依存するところがある。居心地のいい空間は人それぞれ違う。こういうことは選択による影響があまりないものなんだろうか。 これだけ似ていれば、僕がこの部屋で目が覚めたときに何の違和感を感じなかったのも無理はない。しかしグレードはどれも僕のものよりワンランク上に見えた。 再びBの冷たい視線を感...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -4-

第三章 Bと僕

2011.02.06 (Sun)

  日曜日が来ると、早速Bの自宅に電話を掛けてみた。コール音が続く。 留守だろうか。 六コール目で、Bが電話に出た。どうやら母はいないようだ。我が家では電話をとるのは基本的に母だと決まっているからだ。 「田中」と名乗っても、Bにはすぐわからず、「迷子になったのを助けてもらった」と言って、初めて思い出した様子だった。「ああ、あのときの・・・・・・なんでうちの電話番号を知っているんだ?」 Bの思わぬ質問に少し...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -3-

第三章 Bと僕

2011.02.05 (Sat)

 「でも今は就職難でさ。なかなか内定がもらえないんだ」「それは高校生でも同じだろ? それなら行かないよりは行ったほうがいいんじゃないか?」「そうかな・・・・・・」「そうだよ。それに就職のためだけに大学に行ったわけじゃないんだろう?」 ショックだった。僕はBの言ったことを否定しなければならなかった。 大学への進学を選んだのは就職に有利だと思ったからだ。 同じ人間なのにどうしてここまで考え方が違うのだろう。B...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -2-

第三章 Bと僕

2011.02.04 (Fri)

 「待てよ」 あの老人は確か元の世界に戻る方法があると言っていたよな。それなら急いで戻らなくても、昨日、俺が言ったように、この世界を存分に見てから戻ることだってできる。戻りたくなったらあの老人を探せばいいことだ。 それがわかれば、俺の目的は一つ。 この世界の俺、つまりBがどんな人間かを知ることだ。 そのためにはBに近づくことが一番の近道だ。ここで重要なのはBにも、B以外の人間にも、俺たちが同一人物だ...全文を読む

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『重要な選択』 第三章 Bと僕 -1-

第三章 Bと僕

2011.02.03 (Thu)

  目を覚まして、時計を見た途端、跳ね上がるようにしてベッドから飛び出た。 今日は午前十一時に、ある食品メーカーの面接があるのだ。 現在の時刻は十時。今からだとギリギリ間に合うかどうかだ。 わけのわからない夢のせいで寝坊してしまったらしい。夢というのは目が覚めたら大抵忘れてしまうものだが、今日のはいやにはっきりと覚えている。  そんなことより、今は急がなければ……。 母は朝食を用意してくれているはずだ...全文を読む

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『重要な選択』 第二章 もう一人の僕 -4-

第二章 もう一人の僕

2011.02.02 (Wed)

  元の世界で僕が住んでいたのは『ファミリーハイツ』というマンションの404号室だった。老人から受け取った部屋のカギは304号室のもの、つまりちょうど真下の部屋だ。   鍵を開けて中の様子を窺ってみたが、当然部屋は真っ暗で人のいる気配はなかった。 玄関の照明のスイッチを押してみると、電気はついた。この調子ならガスも水道も使えそうだ。冷蔵庫、電話、電子レンジにポット最低限の家電は置いてあった。テーブル...全文を読む

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『重要な選択』 第二章 もう一人の僕 -3-

第二章 もう一人の僕

2011.02.01 (Tue)

 「あなたの言いたいことはわかります。ただ選択肢の数だけ世界が存在するなんて……どうにも信じられませんね」「しかし君は今、この世界にいるではないか? 大学に進学せずに、高校を卒業して就職した君のいる世界に・・・・・・」「さっきのはやっぱり僕に違いないんですね」 工場で働いていた自分の姿を鮮明に思い出していた。「しかしね、こんなことを信じろと言っても信じられませんよ。これはきっと夢なんだ。そうでなければ、みん...全文を読む

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