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【  2010年07月  】 

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『ターゲット』 第一話 脱サラの落とし穴 -3-

第一話 脱サラの落とし穴

2010.07.31 (Sat)

 「知らなかったのです。随分良心的に貸してくれるところだったので、深く考えずに契約してしまいました。でも状況は何も変わらず、結局、店を閉めることになり、借金だけが残りました」 その後のことは聞かずとも、高野には察しがついた。「毎日、取立て屋が来ました。私はパートに出て、主人は警備のバイトをしながら、次の就職先を探しました。しかしうまくはいきませんでした。返しても返しても異常な利息で借金は膨らんでいく...全文を読む

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『ターゲット』 第一話 脱サラの落とし穴 -2-

第一話 脱サラの落とし穴

2010.07.30 (Fri)

 『ボンジュール』はテーブル数が二十席近い割と大きな喫茶店だった。 所謂、フランチャイズの店で飲み物や料理は一定の味のものが出てくる。従業員も雇われ店長やアルバイトが多く、入れ替わりも激しいため、必要以上に親しくなることはない。高野がこの店をよく利用する理由はそこにある。 顔馴染みになっては困るからだ。 午後一時五十五分。顔に皺の多い白髪混じりの女が店に入ってきた。 高野のそばまで来ると、女は遠慮が...全文を読む

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『ターゲット』 第一話 脱サラの落とし穴 -1-

第一話 脱サラの落とし穴

2010.07.29 (Thu)

 「じゃあ、この続きは来週に……」 教授の言葉で学生たちは一斉に帰り始めた。 それは彼も例外ではなかった。素早く教科書をかばんに詰め、大学から徒歩十分のアパートへ帰っていった。 アパートに着くなり、朝は読めなかった新聞を手に取った。新聞に目を通すことは決して外すことのできない彼の日課だった。 紹介が遅れたが彼の名は高野幸治。大学二年生。 実家は群馬だが、現在は東京に下宿中である。親からの仕送りはなく、...全文を読む

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【独り言】少なくともこの仕事は向いていない

独り言(雑記)

2010.07.28 (Wed)

  先日、コメントでシミュレーションゲームのことを話しているうちに苦いことを思い出した。 「シムシティ」というゲームをご存知でしょうか? プレイヤーが市長となり、無人の土地に街を作り、大きくしていくというものです。 生活に必要な居住区、商業地区、工業地区などを作り、警察署や消防署、発電所や駅、果ては空港といった様々な施設を作っていきます。 税金の設定や犯罪率もあります。時には台風や津波の発生、宇宙怪...全文を読む

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『ターゲット』 あらすじ

ターゲット あらすじ

2010.07.26 (Mon)

 『ターゲット』 あらすじ  日頃は経済学を学ぶ大学生の高野幸治。彼には殺し屋というもう一つの顔があった。 暴走族に夫を殺された妻、いじめによる自殺で子供を失った母、結婚詐欺で大金を奪い取られた女、 取り立て屋に両親を奪われた男……悲しき依頼者のために、高野の裁きの鉄槌が振り下ろされる。 一話完結の読み切り。全九話~目次~ 第一話 脱サラの落とし穴 第二話 屑どもの宴 第三話 地獄への教習 第四話 真...全文を読む

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「教師と生徒シリーズ」 あとがき&次回作のご案内

だから僕は教師になった

2010.07.25 (Sun)

  三部作でお送りした「教師と生徒シリーズ」いかがだったでしょうか? 私、俺、僕……三人の先生は考え方や性格は三者三様。 自分が社会に出て、仕事をするようになり、ふと思うようになったのです。 先生たちは皆、どんな気持ちで教師という仕事をやっていたのだろう。 仕事なので、嫌なこともあるし、面倒くさいこともあるし、うまくいかずに悩むこともあるでしょう。 子供が相手だからといって決して楽な仕事ではないんでし...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 最終回

だから僕は教師になった

2010.07.24 (Sat)

  生徒たちが退屈しているのは明らかだった。 一人が好きなことを始めると、別の者がそれに続いた。そういう生徒が一人、また一人と増えていき、やがては授業そのものが成り立たなくなった。 テストは教科書の太字部分を消して、記号で選択させるだけの簡単なものしか作らなくなった。生徒の理解度が低いと、親や学校側から責められてしまうからだ。 思い通りにいかない現実にいつしか大切なことを忘れていた。『あなたの夢は何...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第十回

だから僕は教師になった

2010.07.23 (Fri)

  先生の授業はとても面白かった。プリントだけでなく、模型や紙芝居、黒板と同じくらい大きな地図など、手の込んだ資料を使うことで、僕たちの興味を誘い、理解しやすいように工夫をしていたからだ。「教科書を見て、話聞いてるだけやったら、ようわからんやろうしな」 先生にとっては教科書のほうが参考文献だったのだ。 そして先生はこうも言っていた。「俺はテストでええ点が取って欲しいんやなくて、みんなに歴史の面白さを...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第九回

だから僕は教師になった

2010.07.22 (Thu)

 「中学校に入った僕はテニス部に入部した」「えーっ、先生がテニス? 似合わんなあ」 自分自身がテニス部の松山が言った。キリッとしまった顔と笑った時に見せる白い歯はテニスウェアがよく似合いそうだ。「僕だってテニスくらいするよ。でもまあ、入部した理由はテニスがしたかったからやないんや」「じゃあ、何で?」「クラブの見学に行ったときに、三年生のかわいい先輩がおったんや」 女子がキャアキャアとはしゃぎ出した。...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第八回

だから僕は教師になった

2010.07.21 (Wed)

 「起立」 学級委員である小松の号令で、皆、だらだらと立ち上がった。僕の授業の始まりではお約束の光景だ。生徒たちと一礼をした後、僕は自分で作ったプリントを配った。「何これー?」 一人の生徒の言葉で皆がプリントに目を向けた。笑い声やひそひそ話、じっと見つめるだけなど、反応は様々だったが、いつもはプリントに興味など示さない生徒たちが今日は釘付けだった。「よし。全員に回ったか? 今日の授業はそこに書いてる...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第七回

だから僕は教師になった

2010.07.20 (Tue)

  名前を見ても顔が思い出せない生徒が何人もいたのだ。 信じたくない僕はギュッと目を閉じ、出席番号順に生徒の名前と顔を頭に思い浮かべていった。 さすがに今日面談をした生徒はすぐに浮かんだ。 しかしそこから三人目で止まってしまった。「佐藤 和代」 何度も佐藤の名前を反芻したが、やはり顔が思い出せなかった。 春の校外学習で撮影した集合写真を引き出しから取り出し、記憶を辿りながら前から順に一人一人の顔を眺...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第六回

だから僕は教師になった

2010.07.19 (Mon)

 「俺も先生に聞きたいねんけど、先生はなんで先生になったんや?」「僕は歴史が好きやからや」 これは嘘じゃない。自信を持ってそう言える。大崎の鋭い質問が飛んだ。「歴史が好きやからって、先生じゃなくてもええんちゃう? 研究する人でもええし、本を書く人でもええやん」 それは決して意地悪から出たものではないと思う。大崎の無邪気な顔を見ればわかる。素朴な疑問なのだろう。「まあ、そうやなあ……そうそう。子供が好き...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第五回

だから僕は教師になった

2010.07.18 (Sun)

 「それなら漫画家になったらどうや? えーっと、『ドラゴンダスター』やったけ? 今、流行ってるの」「マスターや。ダスターって……掃除道具やろ」「ああ、マスターか。すまんすまん」 完全な知ったかぶりだった。「その『ドラゴンマスター』みたいな漫画を描いてみたくないか?」「それ、ええなあ」と、大崎が乗って来るものだと思っていた。しかし大崎の目は冷めたいままだ。この目はやはり苦手だ。「先生、神藤の絵、見たこと...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第四回

だから僕は教師になった

2010.07.17 (Sat)

 「なし?」「そうや。俺、将来の夢なんかないねん」 大崎は実にあっけらかんとしている。「ないってことはないやろ?」「ホンマにないねんもん」 大崎は椅子にもたれ、頭の後ろで手を組んだ。「皆、いろいろ書いてるで」 とは言ったものの、僕も他の生徒の書いたものに目を通したわけではなく、「なし」と書いている者がいないとは言い切れなかった。適当にプリントをめくって読み上げてみた。「川田は……看護婦か。あの子はしっ...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第三回

だから僕は教師になった

2010.07.16 (Fri)

  土曜日のホームルームで、先日のプリントを回収した。職員室へ戻ると、再び教頭から面談の話があった。「明日はお休みで、それぞれ事情はあるでしょうけど、生徒の書いたものに必ず一度は目を通しておいて下さい。面談の時に何を話してええかわからん、なんてことのないように」 他の先生に紛れて返事をしたものの、僕はプリントをそのまま机の引き出しにしまった。 頭の中は朝までテレビゲームをすることでいっぱいだった。 ...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第二回

だから僕は教師になった

2010.07.15 (Thu)

 「くそー、上杉め。そう来たか……さすが我が宿敵」 仕事を終えて家に帰ると、弁当屋の弁当を食べながら、テレビゲームをすることが僕の日課だった。戦国時代が好きな僕にとって、武将になって天下統一を目指すこのゲームは面白くて仕方のないものだった。これまでに織田、豊臣、徳川、上杉で天下を執り、現在は武田でそれを果たさんとしている。 ひとり暮らしの僕には「ゲームばかりすんな」と口うるさく言う者はいない。たまに実...全文を読む

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『だから僕は教師になった』 第一回 

だから僕は教師になった

2010.07.14 (Wed)

 「こうして頼朝は征夷大将軍としての……」 授業は僕の独壇場だった。 生徒たちは皆、僕が熱く語る歴史の話に目を輝かせ、夢中に……なっていなかった。 独壇場というより独り言に近かった。 生徒たちは僕の存在など無視して、それぞれ好き放題やっている。 机にうつぶせになり寝ている者、友達同士で喋る者、ゲームをする者、漫画を読む者、化粧を直す者、塾の宿題をする者……。 しかし僕は生徒を注意することなく授業を続ける。...全文を読む

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【独り言】バナーを作ってみました

独り言(雑記)

2010.07.12 (Mon)

  先日、遊楽の箱庭というブログをされておられます 黒羽 知亜(くろわ ちあ)さんという方とリンクすることになった際、 「バナーはないですか?」 ということになりました。 正直、作ってなかったです。汗。 作り方もイマイチわからなかったのですが、やはり頼まれたのであれば作らねばと思い、 ネットで調べながら作成しました。 それがこれ↓です。...全文を読む

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『お礼参り』 最終回

お礼参り

2010.07.10 (Sat)

 「そんなことより立ってくれよ。せっかくいい服着ているのに台無しじゃん」 村田にそう言われ、そこに座っていることが可笑しくなった。俺たち教師が心配していたようなことは何一つ起こりそうにない。 俺が立ち上がると、村田が麻生に目配せをした。麻生は慌ててどこかへ行き、大きな荷物を抱えて戻ってきた。「先生、これ。俺たちの気持ち」「気持ち?」「そう。ベビーカー」 日高が満面の笑みを浮かべた。「先生、もうすぐ子...全文を読む

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『お礼参り』 第九回

お礼参り

2010.07.09 (Fri)

   力こそ全てだと未だに信じていた俺は、石川に殴られ、信念を否定されたことを根に持っていた。自分の強さを思い知らせ、一人でも生きていけると証明するため、石川を体育館の裏に呼び出し、暴行を加えた。 石川は何の抵抗もせず、一方的に殴られ続けた。あの日のように説教をすることもなく、ただ地面に這いつくばり、静かに涙を流していた。 石川は自分が惨めで泣いてるのだと俺は思っていた。 しかしそうではなかった。 ...全文を読む

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『お礼参り』 第八回

お礼参り

2010.07.08 (Thu)

  卒業式の日がやってきた。 名前を呼ばれ、体育館の壇上に上がった村田は堂々と胸を張り、卒業証書を受け取った。身だしなみもきっちりと整っていて、誰が見ても不良には見えなかった。 式が終わり、生徒が帰り始めると、職員室全体に落ち着きがなくなった。教師たちは皆、そわそわし、窓の外と内を交互に眺めたり、意味もなくうろつき、時折、俺の顔に視線をやった。 自分で言うのもなんだが、当事者である俺が一番落ち着いて...全文を読む

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【独り言】お知らせ!

独り言(雑記)

2010.07.07 (Wed)

 テンプレートを小説用に変更いたしました。今までは完成した作品をFC2小説にて公開し、リンクもそちらに飛ぶようにしていたのですが、やはりホームであるこのブログでたくさんの方に読んでもらいたいと思いました。主な変更点①過去の短編はこちらで読んでいただくようになりました。※FC2小説でも公開しますが、リンクはしません。②過去の長編については今まで通り、FC2小説へとリンクします。③FC2小説専用感想掲示板は廃止しました...全文を読む

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『お礼参り』 第七回

お礼参り

2010.07.06 (Tue)

  中学生の時、俺は村田以上の不良だった。 短い学ランにダボダボのズボンを履き、胸ポケットにはタバコとライターがいつも入っていた。授業中は廊下をうろつき、放課後は仲間たちと単車を乗り回していた。校内に敵はいなかったが、他校の連中とはよく喧嘩もした。 教師も親も俺を怖がっていた。何か口出ししようものなら、ギロリとひと睨みし、相手を黙らせた。それが俺にとっては快感だった。 しかしただ一人、石川という教師...全文を読む

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『お礼参り』 第六回

お礼参り

2010.07.05 (Mon)

 「ただいま」 帰宅した俺の顔を見ると、、ソファに座っていた妻の麻美が「おかえりなさい」と優しく微笑んだ。「すぐご飯の用意するね。今日はお鍋にしたから」 麻美はすっかり大きくなったお腹をかばいながら、ゆっくりと立ち上がろうとする。俺は鞄を床に置いて、それを支えた。 もうすぐ家族が一人増える。今の俺にとって一番の楽しみだ。「今日ね。またお腹を蹴ったよ。早く出せって言っているのかしら」 麻美は嬉しそうに...全文を読む

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『お礼参り』 第五回

お礼参り

2010.07.03 (Sat)

  放課後の廊下で偶然、村田と顔を合わした。その笑いはどこかぎこちなかった。「もうすぐ卒業だな。今、どんな気分だ?」 初めて会った頃に比べれば、服装や髪の色など、随分校則に沿ったものになっていた。それは梅津の言うように、内申書を気にしてのことなのだろうか。「別に……嬉しくもないし、悲しくもないよ。中学を出たからって自由になれるわけじゃない。勉強もしなくちゃならないし、校則がないわけでもない。だからと言...全文を読む

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『お礼参り』 第四回

お礼参り

2010.07.02 (Fri)

 「お前、本気でそんなことを思っているのか? もしあのお年寄りが亡くなっていたらどうだ! 寝たきりになっていたらどうだ! それでも責任が取れるって言えるのか?」 村田は黙って下を向いた。他の三人も同じだ。「金を払うにしてもだ。誰がその金を出す? 親だろう。中学生のお前らを誰が雇ってくれるんだ?」 長い沈黙が続いた。うなだれた四人を見て、俺はそれ以上何も言わなかった。 一時間ほどして、それぞれの担任教...全文を読む

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