三流自作小説劇場

* Novel List

三流の自作小説ブログです。感想、コメント、相互リンク大歓迎!尚、当ブログで掲載する文章、作品についての無断転載や転用は固く禁じます(そこまでの値打ちはないかもしれませんけれど・・・・・・)。
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「親愛なるあなたへ」
  第一章 死霊館  

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【 作品のご案内 】        2014.01.27 ~  執筆
 午前六時を告げる携帯電話のアラーム。  食べ飽きた菓子パンと決してうまくはないインスタントコーヒー。  くたびれたスーツに薄っぺらいビジネスバッグ。  マイカー通勤への憧れが募るばかりの満員電車とその苦痛を分かち合う顔ぶれ。  車が忙しなく行き交う大通りを挟んで整列した無機質なコンクリートビルの群れ。  百パーセントとまではいかないが、毎日、ほとんど変わらぬ見慣れた光景。 その日も「いつもと同じ...

 『親愛なるあなたへ』 第一章 死霊館 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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  別れたら  

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【 作品のご案内 】        2014.01.04 ~  執筆
<警告>※こちらの作品にはR指定つけるほどではありませんが、微妙に過激な性表現が含まれますので、予めご了承ください。 今のケータイを使うようになって二年が経つが、『アラーム1』がどんな音なのかを今朝初めて知った。もちろん、ピピピという音が連続して鳴る、何の目新しさもない在り来りのものだ。昨日までは妻の渚が起こしてくれていたから、アラームなんて必要がなかった。 渚は家を出ていった。 出ていったと言って...

 『別れたら』 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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  忙しい人たちへ(掌編集)  

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【 作品のご案内 】        2013.12.01 ~  執筆
「ああ、小便がしてえ」 毛布に包まった大竹が、ベッドの上で横になった姿勢のまま、微かに全身を震わせた。「早く行けよ」 そういう俺もフローリングの上に寝そべり、大竹に借りた煙草臭い毛布で、どうにか寒さを凌いでいた。彼のマンションに泊まりで遊びに来たのだが、運悪く電気ストーブが故障してしまったのだ。 その時点で帰るつもりだったのだが、「俺一人を凍死させるつもりか」と、大竹が泣きついたので、渋々残ること...

 『午前零時には』 前編 』 より   »» 続きを読む 

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  再会箱(シリーズ)  

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【 作品のご案内 】        2013.05.25 ~  執筆
 贔屓にしている……というより、してもらっている神様がいる。 高校卒業後、すぐプロ野球の世界に入って二十二年。正月には必ず一年の健闘を祈願しにその神様の元を訪ねた。 おかげで、大した怪我をすることなく現役を続けられ、球界に名を残せるまでの選手になれたのだと、俺は信じている。これまでのお礼と、ずうずうしくもコーチとしての健闘の願いも込めて、今年も神様に向かって手を合わせた。 駐車場へと戻る途中で、別方...

 『再会箱 caseⅢ』 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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  忙しい人たちへ(掌編集)  

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【 作品のご案内 】        2013.04.14 ~  執筆
「芙美、芙美」 不意に誰かに肩を叩かれ、私は目を覚ました。夕食のためのレシピ本を読んでいたはずが、知らぬ間にテーブルに平伏して眠ってしまったようだ。いつまでも眠っているわけにもいかず、ちょうど良かったと言えば良かったのだが、ポカポカとした春の暖かさに包まれて眠り続けたい気持ちが少しもなかったわけではない。 そんな快適なリラックスタイムを邪魔したのは一体誰なんだろうと、まだ頭がぼんやりとした状態で、...

 『さいごに』 前編 』 より   »» 続きを読む 

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  忙しい人たちへ(掌編集)  

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【 作品のご案内 】        2013.01.03 ~  執筆
「それでね。由美が怒っちゃったのよ。おかしいでしょ?」 楽しそうに友達のことをしているのは、栄治と奈菜恵の娘、美緒だ。美緒の話を聞き、奈菜恵が優しく微笑む。明るい性格の美緒は平松家にとって華とも言える存在だ。 しかし会話をするのは美緒と奈菜恵、あるいは美緒と栄治で、夫婦である栄治と奈菜恵が言葉を交わすことがほとんどない。 二人の間には見えない壁が存在していた。 いつからだろうか。昔ならそんなことは...

 『葡萄のピアス』 前編 』 より   »» 続きを読む 

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「それでも私を愛してくれますか」
  第一章 別れ  

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【 作品のご案内 】        2012.07.01 ~  執筆
 彼女はずっと僕のそばにいる いつの間にかそれを疑うことさえしなくなっていた「ごめん。今日はこの近くの駅まででいいから……」「えっ?」「電車で帰ろうと思って……」 洋食レストランの駐車場。食事を終えて、車に乗り込んだ僕と美由紀が最初に交わした言葉がそれだった。車のキーを捻る手が自然に止まった。 ここから彼女の住むマンションまで車で四十分、電車だと一時間はかかる。デートの後に、わざわざ時間のかかる方法を...

 『それでも私を愛してくれますか』 第一章 別れ -1- 』 より   »» 続きを読む 

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  美しき幕引き  

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【 作品のご案内 】        2012.03.07 ~  執筆
【幕引き】 一.芝居で幕を開閉する役目の者。 二.ある出来事などを終わりにすること  目の前に現れた十段を超える石の階段に、喜多ははうんざりとせずにいられなかった。これまで傾斜がきつく、凹凸の激しい山道を散々登ってきたというのに、まだ先があるというのだ。 もちろん、引き返すつもりもない。 何度か屈伸をして覚悟を決めると、喜多はゆっくりと階段を登り始めた。石の表面にはぬめぬめとした苔が付着しており、...

 『美しき幕引き』 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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  かつての我が家で少女と  

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【 作品のご案内 】        2012.01.24 ~  執筆
 母が心臓の病気で亡くなった。 三年前の事故で父を亡くし、兄弟もいない私には、これで肉親と呼べる存在はこの世に一人もいなくなったことになる。 就職して実家を出て以来、両親とはずっと別に暮らしていた。 父が亡くなったとき、妻と相談して母を同居に誘ってみたが、「都会の暮らしは馴染めそうにないから」と言って断られた。 私の住む街から実家までは一時間半。田舎と言っても、交通網が整備されていないとか、車がな...

 『かつての我が家で少女と』 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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  忙しい人たちへ(掌編集)  

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【 作品のご案内 】        2012.01.12 ~  執筆
 携帯電話が普及して、随分と時間にルーズな人間が増えた。 例えば、夜中の二時や三時でもメールなら大丈夫だろうとか、少し遅い時間に掛けたところで、固定電話と違い、本人以外には迷惑が掛からないだろうとか、そういう風潮が蔓延している。  俺は営業の仕事をしているが、客になんて番号を教えたら最後、出勤日も休日も関係なく電話してくる。緊急事態に備え、電源を切るわけにもいかないし、例えその時出られなくても、後...

 『真夜中の自殺コール』 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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  再会箱(シリーズ)  

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【 作品のご案内 】        2012.01.02 ~  執筆
「その箱は賽銭箱ではないのです」 真っ白な髭を生やした住職が僕に向かって優しく微笑んでいた。ズボンの後ろポケットから財布を取り出すのを止め、箱の正面を見直してみた。「再会……箱?」「そうです。人というのは出会いと別れを繰り返していくもの、別れてしまったが最後、もう二度と会うことのない方がほとんどでしょう。その中には自分にとって本意ではなく別れてしまった方もいるはず。そんな方にたった一度だけ再会させて...

 『再会箱 caseⅡ』 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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「満月の夜でサヨナラ」
  第一章 誰かの部屋  

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【 作品のご案内 】        2011.09.04 ~  執筆
 20XX年3月2日 ~Woman~ 眠りから覚めると顔をしかめたくなるような光景を目の当たりにした。 無造作に丸めて放り投げられた白いシャツとブルーのジーンズ。机の上に転がるビールの空き缶、ポテトチップスの食べカス。床にはリモコン、漫画、雑誌……ありとあらゆるものが散らばっていて、足の踏み場もない。 灯りとテレビは昨夜からつけっぱなしだったと思われる。 壁には、髭を生やしたギターを奏でる外国人のポスターが貼...

 『満月の夜でサヨナラ』 第一章 誰かの部屋 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「未来(あした)が見たら」
  第一章 今の生活  

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【 作品のご案内 】        2011.05.31 ~  執筆
「どうだ?」 低く脅すような男の声。「やはりダメです」 それに答えるもう一人の若い男。声は少し上ずっている。余程差し迫った状況なのだろう。「そうか……では約束どおり今月で打ち切りだな」「そっ、それは……待ってください。もう少し……後一ヵ月で構いません。時間を下さい」 会話をしているのは二人だが、実際には他にも数名、人の気配がする。「無理だな。本来ならば半年だったところを君が必ず成功させると言ったから、一...

 『未来が見えたら』 第一章 今の生活 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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  子供たちへ(童話集)  

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【 作品のご案内 】        2011.05.22 ~  執筆
 ある町に木が大嫌いなおじさんがいました。「葉っぱが落ちたら掃除が大変だし、大きくなったら邪魔になる」 だからおじさんの家には木が一本もありません。  そんなおじさんの家の庭に、いつの間にか小さな木の芽が顔を出していました。 それに気が付いたおじさんはとても怒ってしまい、ハサミで木の芽を切ってしまいました。 次の日、おじさんが庭に行くとまた木の芽が顔を出していました。 おじさんはまた怒りました。 ...

 『おじさんの木』(表紙のイラスト決定!) 』 より   »» 続きを読む 

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  道連れ  

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【 作品のご案内 】        2011.04.15 ~  執筆
 ピピピピッ、ピピピピッ・・・・・・。 午前六時、携帯電話のアラームで少年は目を覚ました。 いや、目を覚ましたという表現は正しくない。実際はほとんど眠っていなかったことを考えると、行動を開始したと言うほうが適切だろう。隣の部屋で眠る両親を起こさぬよう静かに服を着替えると、用意していたリュックを背負って家を出た。食卓の上に書置きをして。 日曜日ということもあり、街はまだ眠っていた。 生まれてわずか十六年だ...

 「道連れ」 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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  あの日の恋は永遠に  

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【 作品のご案内 】        2011.04.03 ~  執筆
 中学校三年生の同窓会の案内が実家に届いた。 結婚して隣の市に引っ越した私は、母からの電話でそれを知った。 受け取ったハガキには場所と日時、出欠の確認が記されていた。幹事はクラスでもひと際目立つ存在だった北村健吾と坂井宏美の二人。 私は中学から大学を卒業するまでを地元で暮らしていたが、親しい友達を除けば、卒業後に顔を合わせた同級生はごく僅か。十五年も経てば、皆、随分と変わっていることだろう。会って...

 『あの日の恋は永遠に』 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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  遠くの隣人  

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【 作品のご案内 】        2011.03.09 ~  執筆
 長い間、空き家だった隣の部屋に新しく人が引っ越してきた。私と同じ三十代前半くらいの男性で、『星川』と名乗った。近隣挨拶などしない者も多い今時にしては珍しく、きっちりと菓子を持って挨拶に来た。 しかしそれ以降、しばらく顔を合わせることはなかった。 お互い独身で、仕事に就いているのだから、当然のことかもしれない。ライフスタイルが違えば、次に会うのは「どちらかが引っ越すとき」なんてことも充分考えられる...

 「遠くの隣人」 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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「重要な選択」
  第一章 老人  

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【 作品のご案内 】        2011.01.28 ~  執筆
 あなたは一本道を歩いていました。 しばらくすると道が二つに分かれていました。 さあ、どちらの道を選びますか? 右ですか? 左ですか? そうですか。そちらを選びましたか。 本当にそれでいいのですね? 悔いは残らないのですね? 「これで今日の面接は終了します」「ありがとうございました」 立ち上がって深く頭を下げると、できる限り俊敏な動きで部屋を出た。それでも面接官の冷たい視線が気になった。「この会社...

 『重要な選択』 第一章 老人 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  最終話 輝く未来  

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【 作品のご案内 】        2010.11.07 ~  執筆
 ゴールデンウィークが終わり、再び授業が始まった。 高野は久しぶりに実家に帰り、地元の友人たちと遊び回った。楽しんだ分だけ日常生活の始まりに気分が重くなる。「仕事はもう一日休んでからにするか……」 そんな甘い考えも少しは浮かんだが、人間、一度怠け癖が付くとなかなか治らなくなってしまうものだ。 高野は自分に言い聞かせて、朝刊を手に取った。「案外依頼はないかもしれないな」  しかし高野はすぐに後悔した。...

 『ターゲット』 最終話 輝く未来 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  第八話 オンリーユー  

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【 作品のご案内 】        2010.10.31 ~  執筆
 階段状に並べられた机の一番後ろの列、そして最も入口に近い席に、ある男子学生と女子学生が並んですわっていた。男が少し寂しげに女に言った。「今日は何か冷たいね……」「そう? そんなことないと思うけど」「嘘。もっと何かしゃべってよ」「別にしゃべることもないし……」「今日は赤木は来てないのかな?」「さあ、知らない」 熱心に話しかける男を女はことごとく冷たくあしらった。挙句の果てにポータブルのMDプレイヤーを...

 『ターゲット』 第八話 オンリーユー -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  第七話 頂きを夢見る男  

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【 作品のご案内 】        2010.10.20 ~  執筆
 二ヶ月前、ある資産家の妻とその息子二人が殺害される事件が起きた。 昨晩、逃亡を続けていたもう一人の息子が容疑者として逮捕された。殺害の動機は亡くなった父の遺産の配分に納得がいかなかったから。  金の力にはぞっとさせられることすらある。 金は物の価値をだけではなく、人の価値まで決める。 金を持つ奴は楽をして暮らせる。挑戦できる可能性が広がる。欲しいものはいくらでも手に入る。やりたくないことは他人に...

 『ターゲット』 第七話 頂きを夢見る男 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  第六話 乙女心の傷  

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【 作品のご案内 】        2010.10.04 ~  執筆
 春休みがやってきた。 高野も四月からは三年生である。彼の通う大学は三年生まで留年はないため、のんびりと成績表が来るのを待つのみだ。 高野のマンションに平山と大沢が遊びに来ていた。一人暮らしの部屋というのは溜まり場に抜擢されやすい。高野も一人でいても仕方がないので、この二人の訪問を歓迎している。 平山は床に転がり熱心に漫画を読んでいた。大沢は不器用なりに必死でギターを弾いている。 高野はテレビを見...

 『ターゲット』 第六話 乙女心の傷 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  第五話 毒牙を砕く音  

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【 作品のご案内 】        2010.09.17 ~  執筆
 都内某所のライブハウス。 ステージでは髪を赤やら黄色に染め、派手な化粧をした連中が、首を振り、鼓膜が破れんばかりの音を出していた。高野と平山はときどき、ここに演奏を聞きにくる。「相変わらずうるせえなあ」 高野がうっかりいつものトーンで話すと、平山が大声で応えた。「えっ! 何だって!」「うるせえなって言ったんだ!」 いつもと状況が違うことを思い出し、高野も大声で応えた。  曲が間奏部に入り、ギター...

 『ターゲット』 第五話 毒牙を砕く音 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  第四話 真実の弱者  

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【 作品のご案内 】        2010.08.31 ~  執筆
「今日の講義はここまで」 冬休みが終わり、始めの講義で教授もやる気がないらしく、授業は早々に切り上げられた。教室のざわめきで高野は目を覚まし、大きく背伸びをした。「ああ、よく寝た」 午後からの授業は突然休講となった。そこで高野にはある目論見があった。 「奈美ちゃん」 奈美が一人で授業に出席していることは確認済みであった。「あら? 高野君。おはよう」 手入れの行きとどいた髪の毛は今日もとても綺麗だ。...

 『ターゲット』 第四話 真実の弱者 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  第三話 地獄への教習  

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【 作品のご案内 】        2010.08.17 ~  執筆
 今年も残すところ一ヶ月となった日曜日。 高野は一人車を走らせていた。時折、連れもなくドライブに出かけることがある。彼にとってはいい気分転換の方法だった。 信号待ちで隣に教習車が止まった。運転席には女の子が緊張した顔つきで、助手席には教官がでれでれした顔つきで座っていた。どこの教習所の教官も女には優しくて男には厳しいらしい。 近頃では男女とも、年齢にかかわらず運転免許を持っていることは珍しいことで...

 『ターゲット』 第三話 地獄への教習  -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  第二話 屑どもの宴  

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【 作品のご案内 】        2010.08.06 ~  執筆
 十一月のある休日。高野は午後十二時に目を覚ました。「休みの日くらいゆっくり眠りたい」 それは万人の希望だと思っていた。 適当な服を着て、バイト先のコンビニに朝食兼昼食を買いに出掛けた。 海苔弁当とお茶を持ち、ロングヘアを一つに束ねた女の子が待つレジに並んだ。 彼女は高野と同じ学部に在籍する彩瀬奈美。 高野は彼女に片思いだったのだが、なかなか「好きだ」と言い出せずにいた。彼氏がいるのかどうかも怖く...

 『ターゲット』 第二話 屑どもの宴 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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「ターゲット」
  第一話 脱サラの落とし穴  

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【 作品のご案内 】        2010.07.29 ~  執筆
「じゃあ、この続きは来週に……」 教授の言葉で学生たちは一斉に帰り始めた。 それは彼も例外ではなかった。素早く教科書をかばんに詰め、大学から徒歩十分のアパートへ帰っていった。 アパートに着くなり、朝は読めなかった新聞を手に取った。新聞に目を通すことは決して外すことのできない彼の日課だった。 紹介が遅れたが彼の名は高野幸治。大学二年生。 実家は群馬だが、現在は東京に下宿中である。親からの仕送りはなく、...

 『ターゲット』 第一話 脱サラの落とし穴 -1- 』 より   »» 続きを読む 

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  だから僕は教師になった  

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【 作品のご案内 】        2010.07.14 ~  執筆
「こうして頼朝は征夷大将軍としての……」 授業は僕の独壇場だった。 生徒たちは皆、僕が熱く語る歴史の話に目を輝かせ、夢中に……なっていなかった。 独壇場というより独り言に近かった。 生徒たちは僕の存在など無視して、それぞれ好き放題やっている。 机にうつぶせになり寝ている者、友達同士で喋る者、ゲームをする者、漫画を読む者、化粧を直す者、塾の宿題をする者……。 しかし僕は生徒を注意することなく授業を続ける。...

 『だから僕は教師になった』 第一回  』 より   »» 続きを読む 

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  お礼参り  

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【 作品のご案内 】        2010.06.27 ~  執筆
 一人の男が背広をどろどろに汚され、地面に這いつくばり泣いていた。 俺を縛りつけ、脅し、時には暴力を振るったその男を叩きのめす日を、俺は待っていた。 そしてようやくその望みが叶った。それなのに、満足や爽快感はなく、何とも言えない不快な気持ちが俺の心を支配していた。 「お礼参り?」 社会担当の女性教師、秋山の言葉を教頭が繰り返した。「お礼参りって、あの卒業式の日に恨みを持つ先生に仕返しをするやつです...

 『お礼参り』 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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  大切な預かりもの  

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【 作品のご案内 】        2010.06.06 ~  執筆
 運転席の青年に気付かれぬようそっと後部座席を確認してみると、茶色の大きなクマのぬいぐるみが座っていた。「娘のものです」 青年はにっこりと笑った。「すみません。少し気になったものですから……」「構いませんよ」 気付かれてしまったことが恥ずかしくなり、私は頭を掻いた。「寒くはないですか?」「大丈夫です」 見ず知らずの私にこれ程気を使ってくれるなんて、彼は本当に優しい人間なんだろう。 そもそも車の助手席...

 『大切な預かりもの』 第一回 』 より   »» 続きを読む 

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